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第11回お題

何故だか多い希少鉱物のルース



 今回は僕がずっと疑問に思っていた事をお話します。その疑問とは『どうして希少鉱物に
はルースになっている物が多いのか?』と言う事です。                

 ココをご覧の皆様は鉱物がお好きな方だと思います。鉱物好きな方を大別すると、『結晶
派』と『ルース派』に分かれるハズです。ちなみに僕は『結晶派』。とは言え、カットした
方が綺麗な石もあったりしますので、ルースも集めています。それで気付いたんです。『希
少鉱物にはルースが多い』って。事実、アウインベニト石の様な希少価値の高い鉱物は、
その大半がルースとして出回ってます。アウインについては結晶(と言うより塊(^^;)も手に
入れましたが、なかなか結晶標本を見る機会はありませんね。それに結晶とは言え、やはり
綺麗な形では無いので買うときはずいぶん迷ったんですよねぇ。高かったですし(^-^; それ
はそれとして置いとくとして、何故ルースが多いのかを僕なりに考えて、更に行き着けのお
店の方にも聞いてみました。                            

 まず、最初に僕の考えた事の答えは、すぐ上の文章の中にあります。それは『綺麗な形で
はない』という部分です。希少鉱物というのはそもそも採れる量が少ない鉱物な訳で、採れ
る量が少ないのなら確率的に綺麗な結晶もなかなか出ない事になります。先ほども書きまし
たけど、『結晶派』のコレクターは結晶の形を何より優先するんじゃないでしょうか?色や
透明度はイマイチでも、結晶としては完璧なほど綺麗な形の石が有ったとします。同じ種類
で結晶の形は全然綺麗じゃないけど、色や透明度が抜群の石が並んで置いてあります。ちな
みに値段は同じとします。値段にも寄るでしょうが、『結晶派』のコレクターなら十中八九
は前者を購入する事でしょう。ちなみに僕なら間違いなく前者ですね。そして色と透明度が
抜群な石が売れ残ってしまったとしたら・・・お店の方は色と透明度を生かしてルースにす
るでしょう。そして今度は『ルース派』の方がその石を買うのでしょうね。でもやっぱり売
る側の立場だと考え方も違うかも知れません。何より僕は売る側で無いですし、売り手の心
理を想像してるだけで的を射ているかどうかまでは分かりません。そこで、機会を見てお店
の方に直接聞いてみました。                            

 お店の方に伺ったところ、僕の考えで大体合ってた様ですが、少し補足がありました。実
際にも綺麗な結晶の希少鉱物は少ないのだそうです。そして、結晶の形が良くないと売れ残
るというのも僕が考えたとおりでしたが、ルースが多い理由は『ルース派』が買うからでは
なかったんです。ルースが多い理由は『ルースにした方が高く売れるから』というのが1番
だそうです。実際、結晶の標本としては価値が低くても、色や透明度が良い石は結構な数が
出回っているそうで、そうした石たちがカットされルースになるんだとか。そしてルースに
すれば値段が10倍以上に跳ね上がる石も少なくないそうで、更に売れ行きも上々だとか。
お店にとってはルースの方が何倍も利益が出る物だったんですねぇ。なんか納得しました。
でも僕はやっぱり『結晶派』ですね。こういう裏(?)の話を聞いて更に結晶標本を集めたく
なりましたよ。希少鉱物はルースを集めるより結晶を集める方が大変そうですけどね(^-^; 

 それでは今回はこの辺で・・・                          
                       M.E.O.

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