名称:五水灰硼石
化学式:CaB2O(OH)6・2H2O
産地:岡山県高梁市備中町布賀
説明:
五水灰硼石の結晶を手に入れました。化学式の通りカルシウムの硼酸・水酸塩の 2水和物です。それなのにどうして『五』水灰硼石なのか、まずはその理由から 説明しましょうか。ずばり、発見当初に5水和物と勘違いされ、その後も改名さ れていないという理由です。さて、それでは気を取り直してこの石の詳細な説明 をしていきましょうか。最初の発見は1961年のシベリアでした。日本での発見は 写真の石の産地と同じ布賀鉱山(1982年)でしたが、その後は全く産出せず、幻の 鉱物と化していました。ところが、2003年、本鉱が落ちているのを発見した人が ふと上を見上げると・・・そこには大晶洞への入り口がぽっかりと口を開けてい たのです。この時発見された大晶洞から現在掲載中の逸見石、ニフォントフ石や 本鉱を始めとする多くの硼酸塩鉱物が産出しました。この大晶洞が発見されてい なければ、僕がこの石を手にする機会はなかったでしょうねぇ。ただ、ちょっと 残念なのが、あまり透明感がない事でしょうか。この石はファントムの影響で黒 く見える結晶、2cmにも達する巨大結晶、無色透明な美結晶など、様々なタイプ が発見されたんです。写真の結晶は白く濁って見えるタイプなのです。逸見石を 内包する結晶も有るそうですし、次はそういう面白い結晶を狙っていきたいです ね。最後に大きさですが、10×14×9o程になります。