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第6回お題

鉱物採取日記〜その1〜


 え〜、皆様に報告しなければならない事が1つあります。実は・・・僕は石榴石の産地に
出かけておりました!では何故今まで全く報告しなかったのか?それは石が採れなかったか
らなのです(T_T) しか〜し!石が全く採れないからと言って僕は諦めませんでした!!!そ
して遂に石の採取に成功したのです!!!と言うことでやっと報告できます。これから今ま
での採取の記録を日記として記していきたいと思います。なお、この採取日記は今までの石
物語とは趣が異なっていますが、間違いなくM.E.O.本人が書いております。       


『産地は何処だ!』編

 2001年8月1日 〜初採取へGO!〜                           この日僕は、JR永原駅前にいた。と言うのも前日の7/31に買った本がきっかけだった。そ の本とは『関西地学の旅宝石探し』。まず僕の目にとまったのが28番目に紹介されている 『奥琵琶湖のガーネット』だ。ガーネットに興味があった僕にとって、自分で採取出来るの は嬉しい事だ。本によればこのJR永原駅が最寄の駅。ここからおよそ3キロ歩く事になると いう。駅に着いて早速思ったのは・・・『暑い』の一言。季節は夏本番。暑くて当然ではあ るのだが・・・。早くも帰りたいと言う衝動に駆られる。しかし、ここで諦めては来た意味 が無い。僕は意を決して駅前の川沿いの道を南下した。更に琵琶湖沿いの道を歩く。この道 沿いに産地へと続く脇道があると言うが・・・何処だ?かなりの距離を歩いているはずだが 全く分からない。既に通り過ぎてしまったか?いや、まだ分からない。もう少し歩いてみよ う。そして10分後、僕はある看板の前で立ち尽くしていた。その看板には『ようこそマキノ 町へ』の文字。しまった、行き過ぎた・・・。産地はこの隣り町、西浅井町だ。既にかなり の距離を歩いてきた僕は、歩く気力をも無くしてしまった。もう歩きながら脇道を探すのは 嫌だった。仕方なく今日は帰ろうと思ったのだが、ここでまた立ち尽くす事になる。ここま で推定4キロ、ずっと歩いてきた。しかし、バスもタクシーも見かけていない。詰まるとこ ろ、これから帰るとのだとしても結局同じ距離を歩かなくてはならないのだ・・・。しかし 歩かなくては駅にも戻れない。僕はガックリと肩を落とし、永原駅へ向かって歩き出した。  2001年8月7日 〜産地発見?〜                            リベンジ!僕はこの言葉を胸に再び奥琵琶湖へと足を向けた。とは言っても今回は車で産 地へ向かう事にする。前回途中で諦めてしまった原因の1つに『暑さ』があったからだ。夏 真っ盛りのこの時期、1時間以上歩くだけでかなりの消耗となる。これでは産地を探す事も ままならない。前回の反省も踏まえた上での車という訳だ。更に今回はいくらか下調べもし てきている。まずインターネットで産地の検索。調べ物の基本は辞書や事典だろうが、調べ 方も分からない事を調べるにはインターネットが1番だ。何しろ一言でもキーワードがあれ ば調べられるのが嬉しい。ネットで調べた結果、やはり本の通りであっているようだ。更に 産地の名前が『小ツ組』である事も分かった。これで場所を特定できなくても地元の人に尋 ねる事が出来る。更に地図で確認。しかし地図では場所を特定できるような手がかりは得ら れなかった。が、あやしいと思われる場所はいくつかピックアップできた。今回は車だから あやしい所はしらみつぶしに探す事も可能だ。『今回こそは必ずガーネットを手に入れてや る!』そう思い、僕は車を走らせた。                          京都市を出ておよそ2時間。西浅井町へ到着した。さて問題はここからだ。まずは1番あ やしい所へ向かう。『関西地学の・・・』に記された地図には、脇道の目印として『小さな 沢』と『リゾートホテル』があった。実際の地図ではその場所は特定できなかったのだが、 いくつかそれらしい場所は見つけられた。小さな沢とリゾートホテルがあって山へ向かう道 は確かにある。だがそのリゾートホテルは脇道の南側。本に記されているのは北側だから気 になるのだが・・・ここが1番それっぽい。どちらにしても行ってみないと間違いかどうか すら分からない。脇道を車でしばらく進むと何となくそれっぽい場所に出る。本を取り出し て確認してると、路頭へ続く道という写真にそっくりだ!ビンゴなのか?!僕は意気揚揚と 車を降りた。少し行けばガーネットの『壁』が見えるらしい。壁ならすぐに見付かるだろう と山を登る。しかし、行けども行けども壁など見えない。何故だ?場所はここで間違いない ハズだが・・・。と、遂に山を登ることも出来なくなった。生い茂った草に行く手を阻まれ たのだ。草が生えてなければまだ先に進めそうだが・・・。ここでとある掲示板でのやり取 りを思い出した。曰く、『夏は草で産地がどこかもわからないし・・・』くっ、あの発言は こういう意味だったのか!!!これでは何処が産地かなど分かるハズもない!!!またして もガーネットはお預けとなるのだった・・・                       2001年10月15日 〜取りあえず確認〜                         前回、産地の場所はほぼ特定できた。しかし草が生い茂って先に進めなかったのだ。まだ 10月では全ての草が枯れているとは思えない。そう思っても、はやる気持ちが抑えられない のもまた事実だ。なにしろ2ヶ月以上も待ち続けたのだから。仮に諦めるのだとしても、今 どんな状態なのかを確認しなければ気が済まない。結局待ち切れず産地(と思われる場所)に 車を走らせる。前回と同じ『写真の場所』手前で車を止め、山道を登る。予想通りまだ草は 生い茂っているようだ。前回足止めを食った場所まではまだあるが、あまり期待は出来そう には無い。そして案の定2ヶ月前とほぼ同じ状態になってしまった。やはり産地の特定は無 理なようだ。次こそは・・・手に入るのだろうか?                    2001年11月17日 〜原石ゲット!しかし・・・〜                    いい加減もう良いだろう。僕はそんな思いで車を走らせる。あれからまた1ヶ月も待って いる。はっきり言って我慢の限界。だが、そんな思いはつゆ知らずといった感じで滋賀県に 入ってから雨が降っている。これでは採取は無理か・・・。しかし、日頃の行いが良いから か、産地が近付くに連れて雨が小降りになってきた。よし!これくらいなら何とかなりそう だ。そう思ううちに写真の場所に到着し、そして雨はあがった!!!車の中でハンマーやタ ガネの確認をしていると、山から下りてくる人影が!しかも重そうな物が入ったビニール袋 を持っているではないか!!!や、やはり産地はここなのだ!確信を持った僕は意気揚揚と 行く手を阻まれた場所まで進んだ。そして思ったとおり草は枯れて、獣道らしき道も出来て いる!もうこれは行くしかない。・・・しかし、行けども行けどもガーネットの壁は見えて こない。まさかあの人は石ではない他の何かを持っていたのか?という事はそもそもここは 産地ではない?いや、ここで間違いないハズだ。僕は更に進もうとしたが、その先に見えた のは砂防ダム。5Mはある砂防ダムを超えるのはおそらく無理だ。さっきの人がガーネット を採っていたのだとしても、あのダムは超えられまい。やはり間違いだったのか・・・    僕は肩を落として山道を下った。当然だろう。3ヶ月も前から色々準備して、今日やっと 採取出来ると思っていたのに・・・。下る途中、足が止まっていた。『僕には運が無いのだ ろうか?』そんな疑問が頭をよぎる。自然と視線は下を向いてしまう。『?』運が無いなん て全くの逆。僕は運が良かったのだ!その視線の先には小さな石がある。そしてそれは間違 いなく十二面体の結晶の一部が含まれていた。視線を横に移すと、すぐ傍に広場のような場 所があるではないか!しかもハンマーで叩いた跡が付いた岩まである!今度こそは間違いな い!僕は細かい破片や割れて手のひら大なった石を調べた。でも、収穫はあまり無かった。 初めての採取。たった1人ではせいぜいこんなものなのだろうか?それにまたポツポツと雨 が降り始めたようだ。そろそろ帰ろうかと立ち上がった瞬間、目の前が真っ暗になった。ど うやら立ちくらみを起こしたようだ。しばらくジッとしていると視界が戻る。何気なく視線 を上方に向けた時、僕はある事実に気付いたのだった。                                                  次回に続く・・・

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