秋ですね〜。朝夕はすっかり涼しくなりました。秋といえば食欲、スポーツ、読書 など、人それぞれに楽しみの多い季節ですが、秋は野草もいっぱい咲くので、僕とし ては嬉しい季節であります。今回は秋の野草の中でも一際目立つヒガンバナの亜種、 シロバナヒガンバナ、その色は何故白いのかというお話です。 2003年の秋の事です。道端で偶然シロバナヒガンバナを見つけました。シロバナヒ ガンバナのページにも書いてますが、これは赤いヒガンバナと黄色いショウキズイセ ンの自然交雑種なんです。で、この写真を知り合いに見せまくってたんですが・・・ 「なんで赤と黄色が混ざって白になるの?」と聞かれて絶句しました。見つけた時は ただただ嬉しくて、疑問なんて感じてなかったんですが、言われてみればおかしな事 ですよねぇ。で、花の色素関係のページを色々調べてようやく謎が解けたので、この ページを新設してみました。 では、下の図をご覧ください。(ちと大き過ぎですが(^^;) 上の図を見て頂ければ判るかと思いますが、フェニルアラニンから始まる色素合成 は、黄色→無色→赤色の順に進行するんです。黄色いショウキズイセンは赤い色素を 作らないので、上の図のカルコンのところで合成が止まり、より安定な『配糖体』と いう糖がくっ付いた化合物になります。赤いヒガンバナはこの後も配糖体にならずに 合成が続いて、最終的にアントシアニン(アントシアニジンの配糖体)になります。シ ロバナヒガンバナの場合はジヒドロフラバノールからアントシアニジンを合成する酵 素がなく、無色のフラバノールグリコシドが合成されて白くなるという訳なんです。 それにしても3つとも構造が良く似ていますねぇ。ちょっと構造が変わるだけで全然 違う色になるなんて・・・自然ってホントに不思議です。 それでは今回はこの辺で・・・ 2006/09/22 M.E.O.